目に砂

人生の人生

映画感想:かもめ食堂

感想とはいうものの7割自分語りでした。私のブログだからかまいませんね。

片桐はいりさんはくすんだ色とかぼんやりした色とかじゃないやつが似合うっぽいことが最大の気づきです(初登場のシーンが最も健康的に見えたと思いませんか)。これがパーソナルカラー案件ってやつだな……! と私は進研ゼミのまんがに出てくる子どもの気分になりました。この気分になると楽しいです。かつて蓄えた知識が生きた時の気分、インプットが実際の現象と結びついた瞬間の気分。

観ると決めていたので観ました。パンとスープとネコ日和とは原作者が同じで監督が違うのですが、私は本作のほうが好きだと感じました。主要な登場人物の関係が対等に近いからかもしれません。あと女性の比率が高い。登場人物のなんというか……湿度のようなものがこちらのほうが低いようにも思います。最近の気分の問題か、ウェットな感情をあまり望まないのでちょうどよかったです。もっとも、そもそもパンとスープとネコ日和では冒頭で主人公の母親が亡くなっているわけですから、しんみりした人が出てくるのは当然のことです。好み以前に観るべきタイミングではなかったのかもしれませんね。物事にはそれにふさわしいタイミングというものがあるので。

母の好みという点ですが、主題歌まで含めなんとなく母の好みというのに納得がいった気がします。母は井上陽水が好きです。曲はいつでも、歌いかたは若くまだそこまで癖の強くなかったころが。おそらくパンとスープとネコ日和を母にすすめてもそこまでなのではないかと思います。あちらはやはりウェットですし。

私は食事をしているところを見られるのが苦手で、それというのもなんだか食べているときの人の顔ってまぬけに見える気がするからなんです。それを思うようになったきっかけが(申し訳ないけれど)兄が食事をしているときの顔がなんかものすごくまぬけに見えたからです。兄とは歳が離れているので一緒に暮らしていたのは小学生の終わりごろまでくらいだったはずで、だからおそらくかなり小さいころにそう思い始めたのでしょう。刷り込みですね。今も親しくない人と食事をするのはかなり気が引けて、眠くなるのが嫌だからということにして職場では昼食をとりませんし(付随して生活リズムを保つために休日も昼食はとらずにいます)、飲み会も不参加を貫いています。テレビでの食リポも好きではないし(特に女性タレントなどが高い声で「んー!」というのが本当に無理です。ご本人の心からの反応ではなくその場で要請されることであろうとはいえ無理です)。それというのに食にかかわる映画やドラマを観るのは嫌いではないのです。まぬけじゃないからだと思います。もっと深掘りしてもいいかもしれませんけれど、今はその時でもないように思うので、それはまたいずれ。

来週は何を観ようか悩ましいです。「めがね」はレンタル可能ですが借りてまで……という感じなので今後機会があれば。去年観そびれた映画がサブスク対象になっていたのでひとまずウォッチリストに入れておきました。気分次第でそれを観るかも。